白鷺義塾大学では、学生から要望があった一泊かけての修学旅行を実行!

平均年齢80歳の修学旅行をレポートします。

 

旅先は学生達がホームルームの場で納得いくまで話し合った結果、宇城市三角町と上天草市大矢野町への旅となりました。

修学旅行の目的も事前に打ち合わせ、「娯楽目的ではなく、しっかりと現地の歴史や産業を学び、自分のことは自分でやるべし」をテーマに旅を企画。

日頃デイサービスで培った生活力を社会の場で発揮できるかどうか実地訓練です。

 

 

さあ、白鷺義塾大学修学旅行のスタートです。

 

 

 

今回の修学旅行にあたってまず、旅のしおりを作成。

 

 

 

しおりには旅の目的や旅先の資料を掲載しています。

修学旅行前には旅のしおりをつかった事前講義を実施。三角と天草の歴史と産業など予習もバッチリです。

 

 

まず最初の目的地は宇城市三角町にある三角西港。

昨年7月「明治日本の産業革命遺産製鉄・製鋼・造船・石炭産業」の構成資産として世界文化遺産に登録されました。

 

 

明治20年に開港した三角西港は、「明治三大築港」と呼ばれ、国内の貿易拠点として賑わいました。

水路や建造物等は築港後1世紀の歴史を持ち、今なお当時の面影を完璧に現存しているのは三角西港だけだそうです。

素敵な洋館が多くあり、学生たちの眼と心を虜にします。

 

 

ここで三角西港観光ガイドさんの登場。

学生達もガイドさんの話に真剣に耳を傾け学びます。

学生からも「あの白い倉庫は何の倉庫?」「戦争時代は被害を受けなかったのか?」など事前講義で決めていた質問内容をしっかりと発表。ガイドさんも学生の熱心な質問の数々に大変感心されていました。

 

記念に1枚!

 

三角西港は講義で勉強してきたことをしっかりと活かしつつ、新たな情報も得ることができました。実際に世界文化遺産を訪ね、目で見て肌で感じ、充実した学びの場となりました。


三角西港の余韻が残る中、続いての旅先は宿泊地である上天草市、大矢野町へ。

移動中の車内は夕ご飯の話で盛り上がる中、内海を眺めると、なんと、八代地方がすぐそこに!

 

 

その風景に気付いた学生たちの言葉。

「橋ば架ければ、はよ着くて・・・」

ごもっともな意見です。

 

 

車中の盛り上がりも最高潮のなか、宿泊先の上天草市大矢野町「亀屋ホテル華椿」さんに到着。

 

 

到着早々学生たちは疲れも見せず、自分達の部屋へズンズン移動開始。

日頃から様々な生活リハビリに取り組んでいる健脚揃いのご婦人方。余裕で移動できます。

荷物を持とうとする仲居さんにも「自分で持つけん、よかバイ」。仲居さん大助かり。

 

 

到着後、自分の荷物を整え、学生たちはリラックス。

「疲れたなー、でも景色のよかねー」 

大きな窓から天草のパノラマビューが楽しめるベッドルームです。

 

 

「今から温泉入り行こうやー、そして飯食べるばい!」

級長の一言で入浴場へ。衣装も浴衣に!

自分できることは自分で。できないところは助け合いながら。互助の精神で楽しむ天草パール温泉タイム。

貸し切り風呂として楽しめる高齢者にやさしいバリアフリーの温泉もあります。

 

 

そして、待ちに待った夕食!!

 

 

10種以上の会席料理。どれもこれも地元天草産の食材ばかり。

お刺身は新鮮そのものです。

 

 

天草といえば車エビ!

さあ、宴の開始です!!

 

 

と思いきや、、、

食う

 

 

食う

 

 

食う

 

 

「腹が減っては旅行はできぬ」

終始、宴というより大喰い選手権に近い雰囲気でしたがこれも思い出として良し!

 

 

食事後は歯磨き、寝る準備、明日の予習。

お約束のまくら投げの提案しましたが

「しまっしぇん!!」

 

 

翌朝、7時起床予定でしたが学生達はその前に起床。自ら布団の片付けを実行。

大学での生活訓練の成果がここでも発揮されました。

 

 

朝食はお得意のバイキング方式。大学の学食もバイキングですので問題なし。

自分の食べたいものを選び、一般のお客さんと一緒に並び、食器に盛りつけます。もちろん後片付けまで。

 

お世話になった亀屋ホテル華椿を9時に出発。

天草五橋の残り2、3、4、5号橋を制覇しに松島町へ!

特に5号橋からの眺めは最高で、皆さん口を揃えて「絶景ばい」と景色を眺めていました。

 

 

最終目的地は大矢野町の藍のあまくさ村。

 

 

数多くあるお土産品を見て回り、しっかり選び、購入します。

お土産購入時も、大学で施設内通貨シーラ券を使用していることによりスムーズに支払いができます。

 

 

無事に当大学に到着し、旅の感想をしおりの最終頁に記入。色々な感想、想いが寄せられました。

友達との助け合いで旅を楽しく過ごせたようです。

 

 

今回の旅では、段差があったりトイレまで階段があったりと、バリアフリーではない観光施設もたくさん訪問しました。デイサービスなどの高齢者施設はバリアフリーが当たり前ですが、そうでない場所も社会にはたくさんあります。

その中でどうやって楽しく旅ができるのか、楽しく旅をするためには自身がどこを鍛えていかなければならないのか、学生達はこの旅をとおして身をもって体験し改めて考えました。

 

バリア有りの社会の中で活きる生活機能を、バリアフリーのデイサービスでどのように訓練したらいいか。私自身も考えさせられる2日間でした。

暮らしの中でできていることを、そのままデイサービスでもやり続ける。暮らしの中で必須な動きをピンポイントでデイサービスの訓練に取り込むことが、毎日の生活ですぐに役立つ力を養うと感じました。

そして、職員が手伝いすぎない。職員は、利用者同士のつながり、互いに助ける関係をサポートする黒子に徹することです。

 

今回の旅ではバリアフリーがあろうがなかろうが関係なく楽しく全生徒が旅を楽しむことができました。

その大きな要因は、友達同士のお世話があったからです。学校形式の中で育んだ学生同士のコミュニティの力です。

持っている知識の再構築、新しい知識の獲得、人とのつながり、無限の力を秘めた白鷺義塾大学を今後も追求していきます。

 

 

歳だからといって旅行を諦めていませんか?自信を失っていませんか?

諦めたり失ったりする気持ちを脱却してみませんか!

 

一緒に様々な問題を解決し、なりたい自分になりましょう。やりたい暮らしを実現しましょう。心からサポートします。

来年の修学旅行を共に楽しみましょう!

 

 

デイサービスセンターしらさぎおざや

生活相談員 村崎